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2020/10/08 10:44:26
Funeral

お墓の豆知識|知っておくと便利なお墓に関する豆知識

幼い頃、両親に連れられて行ったお墓参り。いつ行っても同じ場所にあり、ご先祖様が見守ってくれているように感じたものです。

成長するにしたがって、お墓を掃除する機会も増えました。始めは見よう見まねだったけれど、背が伸びて、お墓の上まで手が届くようになったら一人前のような気がしました。

お墓とは、このように私たちの身近にあったはずなのですが、実はあまりよく知らないかも・・・と思ったことはありませんか?知っておくと便利なお墓に関する豆知識をご紹介します。

 

 

お墓とは

お墓とは、物理的なことだけを言えば、遺骨(焼骨)を埋葬する場所です。けれどもそれ以外にも意味を持っています。

それは「先祖供養」に代表される家族の文化の継承です。

お盆やお彼岸といった決まった時期のほかにも、進学する時、引っ越す時、結婚する時、子どもが生まれた時などご先祖様に報告しに行ったりする人、あるいはつらい事があった時にお墓に訪れて亡き両親に語りかけたりする人も多いでしょう。

このようにお墓は私たちの心の拠りどころとなり、それが代々引き継がれていきます。家族の集合場所と言ってもいいかもしれません。

 

 

お墓の形状

墓地へ行くと同じような形状のお墓が並んでいるため、お墓とはこういう形なのだと思いがちですが、実は決まった形はありません。

圧倒的に多いのは縦長の伝統的な和型墓石ですが、横長の洋型墓石もよく見かけます。その他に好きな形にすることもでき、その墓石はデザイン墓石と呼ばれています。

 

お墓を建てる時期

厳密に言えば、お墓を建てる時期にも決まりはありません。亡くなった人がいて自宅に遺骨がある場合、49日を目途にお墓を建てることが多いとされていますが、気候が良い時期を選ぶという方法もあります。

春や秋のお彼岸に合わせてお墓を建て、納骨します。おおむね一周忌までにできると良いでしょう。お墓を建てるにはある程度の工期がかかりますので、1~2ヶ月は余裕を持ったほうが良いと言われています。

詳細は石材店等へ相談しましょう。また、生前にお墓を建てるのは良いのか悪いのかは諸説あるのが現状ですが、生前のお墓を「寿陵」と言い、縁起が良いものとするのが一般的です。

縁起が良いもの、めでたいものとされるため、戒名を朱文字で入れます。

また、お墓は相続税の課税対象にはなりません。現金で相続するかお墓で相続するかという考えから言えば、生前に購入することは節税対策にもなります。

準備をすることに抵抗がなければ生前にお墓を建てることのメリットは大きいのかもしれません。

 

お墓のお手入れ

お墓参りへ行くと「ご先祖様、好きだったお酒を持ってきましたよ」と墓石にビールやお酒をかける光景をよく見かけますが、お酒の成分によって墓石がシミになる可能性があるのでやめましょう。

同様に洗剤もシミになることがあります。どうしてもという場合は中性洗剤を使用します。掃除の際には、柔らかい布やスポンジを濡らし、丁寧に磨くようにしましょう。

ついたわしでゴシゴシこすりたくなりますが、墓石の表面に傷がつくので充分に気を付けましょう。特に金たわしの使用は禁物です。

文字部分などの細かい箇所は古歯ブラシなどを利用すると便利です。また、水に濡れたままの状態で放置するとそこに苔が生えてしまうため、仕上げ時に乾いたタオルなどで水分を全て拭き取ります。

掃除の際にはお隣のお墓に水分やごみが飛ばないように配慮が必要です。なお、お墓参りでお供えした飲食物やごみは持ち帰るのがマナーです。

 

お墓の引っ越し

若い世代が次々と都会へ出るようになり、地方は過疎化が進んでいます。

両親が健在のうちは帰省することもありますが、実家にはもう誰も残っていないとなると、お墓参りのためだけに帰省することもままならず、かと言って放置するわけにもいかないため、自分たちが住んでいる場所の少しでも近いところへお墓を移転することを考える人が増えています。

ところがお墓の引っ越しは、墓地を購入してそこにお墓を建てて「はい、おしまい」ではありません。お墓の引っ越しつまり遺骨の移転は改葬といって、役所の許可がなければ実施できないと法律で定められています。

移転先の受入許可が必要なので、許可申請の前には新しい墓地とお墓を用意しなければなりません。また、元のお墓の「魂抜き」や新しいお墓の「魂入れ」など宗教儀式も必要となります。

このように改葬は日数や費用や手間がかかるものですが、何度もあることではありませんし、何より近くに置いてお墓参りの頻度が高まることを踏まえれば、検討してみる価値はありそうです。

 

 

墓地について

これも意外と知られていませんが、墓地の経営ができるのは宗教法人、地方自治体、公益法人のみと法律で定められています。

よっていくら故人の家だからと言っても自宅の敷地内にお墓を建てることはできません。どうしても遺骨をそばに置いておきたいのであれば少しだけ手元に残して、ペンダントやブローチに忍ばせておくという方法があり、それらは「手元供養」と呼ばれています。

ちなみに近年話題となっている樹木葬は、あくまでも墓地と認可されている場所で墓石を建てずに樹木の下に埋葬するという方法です。

これに対し散骨に関しては、それを明確に制限する法律は未だありませんが、一部の市町村においては散骨規制に関する条例を整備するところも出てきており、今後も制限される所が増えそうな見通しとなっています。

 

永代供養墓について

近年の少子化により、お墓を継承する者がいないという事態が多く発生するようになりました。そこで増えているのが永代供養墓です。永代供養墓とは、お墓参りやお墓の管理をする人がいない場合、代わりに寺院や霊園が定められた期間、供養や管理をするお墓です。

定められた期間が過ぎた後は他の人たちのお骨と合祀されるのが一般的です。跡継ぎがいない場合等に有効な手段ですが、いったん合祀されると遺骨を返すことはできません。

 

 

まとめ

知っているようで実はあまり知らないお墓ですが、家族にとっては心の拠りどころとなり、本人にとっては終の棲家となります。

社会状況の目まぐるしい変化の中で、お墓の在り方はまだまだ変わっていくのかもしれません。

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