お彼岸やお盆など、年に数回はお墓参りに行くという方が多いようですが、お墓参りのマナーについて考えたことはありますか?
家族で行ったり一人で行ったりすることがほとんどで、今までマナーについて意識したことがなかったかもしれません。
今回はお墓参りの作法やマナーについて述べていきます。
冒頭にも記したように、お墓参りは春と秋のお彼岸や7月あるいは8月のお盆(地域によって新盆の7月、旧盆の8月という違いがあります)、命日に行く場合が多いようです。
また、年末年始など、普段は離れて暮らしている家族が帰省してみんなが集まる時も行きやすいと言えます。
年末年始に関しては、縁起がうんぬんと言って12月の何日までにしなければならないとか正月三が日は行ってはいけないと言う人もいますが、そもそもお墓にはご先祖様が眠っているわけで、そのご先祖様が子孫に悪いようにするはずがありません。お墓参りに行ってはいけない時期などないのです。
お墓参りはご自身やご家族の都合に合わせていつでも何度でも行っていいものなのです。
ただ、雪が降る地域などでは積雪によって足元が悪い場合もありますので気を付けましょう。
時間帯についても同様です。墓地の開園時間などで制約がある場合もありますが、行きやすい時間に行くことが基本です。
お盆の時期は暑いので真昼よりも早朝や夕方の方がお参りしやすいですし、逆に寒い時期なら日の出が遅く日の入りが早いこと、気温が上がることを考慮すると真昼の方が行きやすいでしょう。
お墓参りへ行く際の服装ですが、納骨や法事の場合は喪服とされています。
それ以外の場合には特に決まりはなく、あまり華美なものでなければ問題ありません。
お墓の掃除をすることを考えると、かしこまった服装よりもむしろ動きやすい服装の方がいいでしょう。
墓地の場所によっては虫が多いところもありますので、そういう場合は長袖長ズボンで行かれることをおすすめします。
お墓参りに持参する物はあらかじめ準備しておいて、当日慌てたり忘れ物をしたりしないようにしましょう。
最低限必要なものはお花、ろうそく、線香、ライターやマッチ、数珠です。
故人が好きだったお酒やお菓子、果物を持っていくのもいいですね。
その他に忘れてはならないのは掃除用具です。
少なくともお墓周りの草むしりに使う軍手、墓石を掃除するスポンジやタオルは用意しましょう。
墓石の細かい部分の汚れを取るために歯ブラシがあると便利です。スポンジは柔らかいものを使用し、墓石を傷つけないようにしましょう。
手桶もしくはバケツや柄杓は墓地に備え付けられている場合が多いですが、ないようなら持参します。その他にはほうき、ごみ袋なども用意しましょう。
それぞれの宗派や家の慣習によって異なる場合もありますが、一般的なお墓参りの手順は以下のとおりです。
お参りが終わったら、線香やろうそくの火を消します。この時も息を吹きかけてはいけません。
線香に関しては、燃え尽きるまで管理者が見てくれる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。掃除で出たごみは必ず持ち帰ります。
お供えしたお花はそのままでもいいのですが、食べ物や飲み物はカラスなどが食い散らかしてしまいますので、持ち帰るようにしましょう。
既婚者の場合、生まれ育った実家と配偶者の実家とでは慣習が異なることもあります。それは地域による違いかもしれませんし、各家それぞれの慣習の違いかもしれません。
いずれにしても、お互いの慣習を尊重し合うことが大切です。
自分の実家のお墓参りには自分の実家のやり方、配偶者の実家のお墓参りにはその家のやり方でお参りするのがいいでしょう。
お墓参りの仕方やマナーについて述べてきましたが、思っている以上に知っていたという方が多いのではないでしょうか。
実は私たちが自然とおこなっている所作が、親から子へ受け継がれているお墓参りのマナーとも言えます。親もその親から自然と教わってきているわけです。
今の自分があるのは親やご先祖様のおかげです。感謝の気持ちを込めてお参りしましょう。