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2020/10/05 07:50:51
Funeral

葬儀を行う会場の種類とそれぞれの注意点

葬儀というと、大勢の参列者がいて大きな会場で借り切って行うものという印象を抱きがちです。

菊の花を飾った祭壇に向かってお焼香をし、順番に手を合わせる。日本では仏教式の葬儀が多数派ですニュースで流れる芸能人の葬儀がこのような大葬儀であることが多いため、葬儀を経験したことのない方やあまり参列したことがないという方は、ニュースで見る芸能人の葬儀の印象が非常に強いようです。

しかし近年、葬儀には色々な形が生まれています。会場も芸能人の葬儀のように大規模なものが全てではありません。もっと小さな式場を借りきることもできますし、故人の願いに合わせて葬儀形式を調整することだってできます。まさに「葬儀に答などない時代」が現在なのです。

葬儀の形式自体にも多様性が生まれています。葬儀に多様性があるということは、形式だけでなく「場」にも多様性があるということです。ニュースで報道される芸能人の葬儀で使われる大会場だけではない、現代社会の葬儀の「場」の多様性についてお話しします。昔はほとんど葬儀に使われていなかったような「場」でも、近年は葬儀ができるようになっているのです。

知っておきたい葬儀の「場」の種類について見ていきましょう。

 

 

葬儀を行う会場にはどんな種類があるの?

葬儀の多様性に伴い、葬儀会場にも多様性が生まれています。昔では考えられないような場所・・・例えばライブ会場なども。
交渉次第では葬儀やお別れ会の場所として使うことができ、まさに「自分や家族がしようと思えば色々な場所が葬儀会場に早変わりする」時代になったと言えます。

しかし、ライブ会場などを葬儀の場として借り切るという方はそんなに多くありません。葬儀が多様化しても、参列者の人数や式の内容、飲食にバリエーションを持たせるといった形で多様性を持たせることが多いため、「場」としての選択肢が驚くほど増えたというわけではありません。

ライブ会場などを葬儀の場として借り受けるためには交渉が必要です。今回は交渉をしなければ葬儀の場として使うことができない場所ではなく、あらかじめ葬儀が行われることも想定されている「場」を中心に葬儀会場の種類をご紹介します。

次のような葬儀会場の種類があります。

  • 自宅
  • 宗教施設
  • 公営式場
  • 民営式場

 

 

自宅を葬儀会場にするメリットと注意点

昔の葬儀が多く行われていた場は自宅でした。皆さんの中にも「私が幼かった頃は自宅の仏間で葬儀をしたことを覚えている」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。自宅の仏間を葬儀会場として使い、通夜から出棺まで行うことも珍しくありませんでした。

自宅を葬儀の「場」として使うことのメリットは、葬儀費用を削減できるという点です。葬儀にかかるお金を構成する三大費用は「お布施」「飲食代」、そして「会場代」となっています。三大費用のうちの一つである会場代を削減できるという点で自宅を葬儀会場として使うメリットがあるのです。しかし、費用削減を狙える反面、自宅を葬儀の場として使うことには注意点もあります。

注意点とは、自宅を葬儀会場にすると「気が休まらない」というもの。自宅という心も体も休まるはずの場所にたくさんの人が出入りするわけですから、朝から晩まで休む時間がありません。家の中を汚されてしまうという懸念もありますし、見られたくないものを見られるという心配もあります。葬儀の道具や荷物で、居住部分が狭くなる可能性も考えておく必要があります。

 

 

宗教施設であるお寺や教会も葬儀の場に

宗教施設でもよく葬儀が行われていました。皆さんの中にも「そういえば!うちのおじいちゃんはお寺で葬儀を出したよ」という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

全てのお寺や教会で葬儀を出すことができるわけではありません。「広間があるから葬儀会場として使っていただいて大丈夫です」という寺院もあるのに対し、「うちのお寺は葬儀会場として使うことはできません」というお寺もあります。中には「檀家であれば葬儀会場として使ってもOK」というお寺もあり、葬儀の場として宗教施設を使えるかどうかは、それぞれの施設の方針や施設自体の大きさによって異なっています。

お寺や教会で葬儀をする場合の注意点は、費用と条件の二つです。

宗教施設は基本的に葬儀の場として存在しているわけではありません。だからこそ「檀家さんだけ」などの条件をつけていることも少なくありません。葬儀を出してもいいけれど他の檀家さんの法事と重なるなどの理由で、日程合わせや条件のすり合わせが難しいという特徴があります。

また、葬儀会場としての施設ではないため、葬儀の道具は自前で用意しなければならないケースもあります。宗教施設で葬儀を出す場合は費用がかさむ可能性があるため、葬儀費用が高額になる可能性もあります。注意しましょう。

 

 

現在の葬儀の主流!公営式場と民営式場

公営式場とは「自治体で管理運営する葬儀場」のことです。対して民営式場は「葬儀社などの民間企業が管理運営する葬儀場」のことです。一般的に葬儀場といえばこのどちらかを指すことが多いです。葬儀の際、真っ先に場として考える人が多いことも特徴です。まさに葬儀専用の施設ですから。

葬儀専用の施設であるからこそ、葬儀道具がそろっており、自宅葬儀に次いで費用をおさえることが可能です。葬儀の規模によっては自宅葬儀より安く済ませることもできます。公営と民営ではどちらかというと公営の方が安価ですが、葬儀の規模や道具によって変わってくるため、絶対に公営の方が安くなるとは言えません。葬儀場の担当から式をフォローしてもらうこともできるため、葬儀場として安心安全という印象があります。

公営施設の中には火葬場と付属している会場もあります。移動という面でも有り難い施設があります。お寺や自宅の隣に火葬場があるなんて、まずあり得ません。

注意点は、相応の費用が必要になることが一つ。葬儀の規模が大きくなり、大きな会場を借りなければならない場合は、数十万円から数百万円の出費も覚悟しなければいけません。

もう一つの注意点としては、非常に込み合うということが挙げられます。地域の葬儀場が少ないと、公営・民営に関係なく予約が殺到します。順番待ちをしなければ葬儀を出すことができない・・・ということもあり得るのです。予約は早め早めが良いのですが、人が亡くなることを見越して予約を入れることなどできないため、状況によってはなかなか会場を使えないこともあります。

 

 

最後に

自宅や宗教施設はどちらかというとカスタマイズのできる玄人向けの会場です。公営施設と民営施設は葬儀はじめての方から慣れている方まで、幅広い方が利用する場所です。葬儀場として使われるのは、民営・公営の施設の方が多くなっているという現状です。

どの場所にもメリットがありますが、同時に注意点もあります。予算や規模、葬儀の内容、日程などに合わせて葬儀の「場」を選ぶとよいでしょう。もしわからないことや疑問に思うことがあれば、地域の葬儀店へ相談なさってください。色々と気になる情報や地域独自の葬儀事情を親切に教えてくれるはずです。

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